間接経費って何のこと？どうやって計算するの？
第５章：見えないコストの探求
リナのカフェは日々多くのお客さんで賑わっている。
店の売上は順調に伸びているようで、リナも忙しそうに頑張りながら笑顔を振りまいていた。
ヨシダさんは今日もお店自慢のカフェラテを飲みながら、席に来たリナに話しかけた。
「リナちゃん今日も忙しそうだね。体調は崩していないかい？」
リナは疲れた素振りも見せず、笑顔で答えた。
「全然大丈夫です！お店もおかげさまで賑わっていますし、先日から取り組んでいる原価計算のおかげで「経営」がなんなのか分かってきたような気がして毎日楽しいんです。」
ヨシダさんは彼女の日々の成長をとても嬉しく思っている。
「どうやら原価計算の入り口はしっかり突破できたようだね。材料費や労務費が見えるようになってきたのなら、もう１つ大きな項目に取り掛かってみようか。」
リナは眉をひそめて返した。
「あれ？まだありましたっけ？」
ヨシダさんは深く息を吸い込み、「間接経費」という言葉を口にした。
「これは、商品の製造や提供には必要だけど、直接的には計算が難しいコストだ。」
「例えば、電気代やお店の家賃、設備のレンタル料など、特定の商品に直接関連しない経費のことを指すんだ。」
リナは驚きの表情を浮かべた。
「なんだかイメージしづらいですね。ケーキやコーヒーとどう関係づけたらいいかパッとわからないから、関係ないものだと思っていました。」
ヨシダさんはやさしく説明を続けた。
「簡単に考えるなら、材料費と労務費以外って思っておけば最初は大丈夫だよ。」
「商品にどうやって間接経費を割り当てるかという計算は一旦置いておいて、その原価の存在を忘れないようにしておくことがまず大事だね。」
リナは色々分かったかのように話してしまったことを恥ずかしがりながら言った。
「つまり、色々な原価を漏れなく考えるということが大事ってことですね！まずはその他にどんな経費を支払っているのか調べてみますね。」
何かぶつぶつ言いながらキッチンに戻っていくリナを見届けて、ヨシダさんはカフェを後にした。
製品の製造やサービスの提供にはさまざまなコストが発生します。
その中でも「間接経費」という項目は、経営者や会計担当者にとって管理が難しい上に見逃せない要素となります。
では、間接経費とは具体的に何なのでしょうか？また、どのように計算するのでしょうか？
間接経費って何のこと？どうやって計算するの？
1. 間接経費とは
間接経費は、製品やサービスの製造・提供には必要ではあるが、特定の製品やサービスに直接割り当てることが困難なコストのことを指します。
2. 間接経費の例
- 電気代や水道代
- 管理部門の給与や事務用品のコスト
- 賃貸料
- メンテナンス費や修理費
これらの経費は、特定の製品やサービス単位で直接的には割り当てることが難しいため、間接経費として計上されます。
3. 間接経費の計算方法
間接経費の計算は企業や組織によって異なる方法が取られることが多いですが、一般的な方法として以下のステップで行われます。
- 集計：まず、間接経費として計上されるすべてのコストを一定期間（例：月、四半期、年）で集計します。
- 割り当ての基準を設定：製品やサービスごとに間接経費をどのように割り当てるかの基準を定義します。例えば、製造工程の時間、生産量、労働時間などが基準として用いられることが多いです。
- 割り当て：設定した基準に基づき、集計した間接経費を各製品やサービスに割り当てます。発生した間接経費合計額を割り当ての基準で割ることで基準単位当たりの配賦率を計算し、それぞれの製品に配賦します。
まとめ
間接経費は、製品やサービスのコスト計算において直接的には割り当てられないが、経営活動に必要なコストとして考慮されるものです。
間接経費の計算と適切な割り当ては、製品原価の計算をより精緻なものへと近づけるプロセスとなります。
