第6章:変動費と固定費の違いは何?
第6章:変わる数値、変わらない数値
カフェの営業時間が終了し、リナは売上と支払いの確認をしていた。
毎月の支払金額を確認していると、リナはあることに疑問を抱いた。
「お客さんの数や商品の売れ行きによって、どうして毎月の支出が変わるのだろうか…」
そこにカフェの扉が開き、ヨシダさんがやって来た。
「今日はもうお店は終了かな?」
リナはヨシダさんの顔を見るなり
「ヨシダさん!ちょうどいいところに来てくださいました。教えて欲しいことがあるんです。」
リナはヨシダさんを店内に招き入れ、先ほどの疑問を質問すると、ヨシダさんは嬉しそうに答えた。
「いいところに気が付いたね。それは変動費と固定費の違いがあるからだよ。」
「変動費と固定費?」
リナは不思議そうな顔をしながら首を傾げた。
ヨシダさんは一杯のコーヒーを頼み、話を続けた。
「変動費は、日々の売れ行きに応じて変動する費用のことを言うよ。ケーキの材料や、このコーヒーを入れるための豆は、売れ行きによって仕入れる量が変わり、毎月の仕入れ費用も変わってくるでしょ?これが変動費だよ。一方で、このお店の家賃や、スタッフさんの給与は、売れ行きに関係がなく費用がかかるよね?これが固定費だよ。」
リナは納得した表情で答えた。
「だから、売れ行きによって支出の金額が変わってくるんですね。ヨシダさんが毎日来てくださり、ケーキとコーヒーを頼んでいただけると、固定費は変わらない一方で、変動費が増加するってことですよね。」
ヨシダさんはうなずいた。
「その通りだよ。そして変動費と固定費をしっかり把握することで、毎月の支出を管理することができるようになり、また、より正確な利益を計算することができるようになるんだよ。」
リナは決意の表情を浮かべ
「変動費と固定費、それぞれの費用にどのくらいの割合で経費を配分すればよいか考えることで、計画的に経営を行えそうですね。ヨシダさんありがとうございます。まずは、変動費と固定費が毎月どれだけかかっているのか調べてみます。」
ヨシダさんは微笑みながら言った。
「リナちゃんのその前向きな姿勢にはいつも感心させられるよ。私もリナちゃんを見習わないといけないね。」
変動費と固定費の違いは何?
ビジネスの経営や会計を理解するためには、コストの概念が非常に重要です。特に「変動費」と「固定費」という二つの基本的なコストの区分は、経営判断や予算策定の際に不可欠な要素となります。では、これら二つの費用は具体的に何が違うのでしょうか?
1. 変動費とは
変動費は、生産量や販売量に応じて増減するコストのことを指します。製品やサービスの単位ごとに一定の費用がかかるため、生産や販売の量が増えればその分だけコストも増加します。
変動費の例:
- 製品の原材料費
- 包装材の費用
- 売上に応じた手数料やロイヤリティ
2. 固定費のとは
固定費は、生産量や販売量に関係なく一定のコストとして発生するものを指します。短期間の間、これらのコストは変わらないと考えられます。
固定費の例:
- 月々の家賃やリース料
- 従業員の給与(変動費の一部として扱われる場合もありますが、基本給などは固定費として計上されることが一般的です)
3. 重要性と使い方
変動費と固定費を正確に理解し区分することは、ビジネスの利益を計算する際や、ブレークイーブンポイント(損益分岐点)を求める際に非常に重要です。また、コスト削減の方針を立てる際にも、これらの区分が役立ちます。
まとめ
変動費は生産や販売の量に応じて変動するコストであり、固定費はそれに関係なく一定として発生するコストです。これらのコストを正確に理解し、適切に管理することは、ビジネスの健全な経営を実現するための基盤となります。